東京都新宿区 戸山、霞ケ丘両団地
孤立深める都心の“限界集落”
国立競技場や神宮球場などがある東京都新宿区霞ケ丘町。この都心の真ん中に「限界集落」ともいえる地区があり、昨年、5件の孤独死が確認された。
限界集落とは、過疎化が進む地方で65歳以上の高齢者人口が5割を超え、集落の維持や存続が困難な状態をいう。新宿区によると、区内の戸山団地(戸山2丁目)と霞ケ丘団地で、今年4月1日現在の高齢化率がそれぞれ54%と48%に上った。いずれも昭和30~40年代に建設された都営団地だ。一方で今年1月、東京都の1世帯平均人数は1・99人と、全国で初めて2人を下回った。
都心には商店や病院などがそろい団地の世帯数も多く、地方の限界集落と同列には語れない。が、両者には共通の問題も。コミュニティーが急速に失われているのだ。老夫婦が連れ合いを失えば1人暮らしを余儀なくされ、体調を崩すと孤立化は一層進む。
戸山団地では住民による自発的な隣近所の見回りを行っている。国枝光雄さん(78)は「こもりがちな人の部屋に積極的に顔を出している。顔を見かけない場合は、電気メーターや郵便受けにも注意を払う」という。それでも死後、しばらく発見されなかった例もあり、事態の深刻さを物語っている。(写真報道局 大里直也)

